暗号資産規制の金商法移管を柱とする改正の全記録 — 金融審議会での検討から国会審議・成立・公布まで
金融・資本市場の変化に対応し、成長資金供給の拡大と市場の公正性・透明性・投資者保護の確保を図る改正。中心は暗号資産規制の資金決済法から金商法への移管で、これに開示・資金供給・不公正取引の3分野の見直しが組み合わされている。
① 金融庁が2025年4月にディスカッション・ペーパーを公表 → ② 2025年6月の大臣諮問を受け金融審議会に「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」を設置、7月から6回審議 → ③ 2025年12月10日にWG報告公表 → ④ 報告を踏まえた改正法案を2026年4月10日に国会提出 → ⑤ 衆参の委員会質疑を経て7月15日成立、7月23日公布。
サステナビリティ開示・保証の部分は、別途「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG」(2024年3月設置、計11回)の中間論点整理(2025/7/17)と最終報告(2026/1/8公表)に基づく。
2025年6月の金融担当大臣諮問「暗号資産を巡る制度のあり方について検討を行うこと」を受けて設置。座長は森下哲朗・上智大学法学部教授。全6回の審議を経て2025年12月10日に報告を公表した。
提出日は令和8年(2026年)4月10日。金融庁の国会提出法案ページに一式が掲載されている。
改正案の質疑・採決。賛成多数で原案通り可決(共産が反対討論)。その後、与野党9会派共同提案の附帯決議を全会一致で可決した。
暗号資産規制の金商法移管を中心に質疑。採決の際、暗号資産関連の事項を多数含む附帯決議が付された。中継動画あり。
法案の基礎となったWG審議の発言録。各回の議事録(金融庁公表)から発言者と発言要旨を採録した。資料・議事録原文へのリンクは「会議と資料」タブを参照。
与野党9会派(自民、立憲、国民、公明、維新、参政、共産、れいわ、社民)共同提案、全会一致で可決。主な項目は次のとおり(ノート記載の要旨)。
発言録・資料・時系列を横断検索する。ヒットした発言者の一覧と、キーワードに関連する資料(スクリーンショット・リンク)をまとめて表示する。
Appendix
・一次情報源: Inkdropノート「2027/06 金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」(委員会審議の書き起こし・要約・リンク集)。
・補完情報源: 金融庁(法案資料・暗号資産制度WG各回資料・WG報告)、参議院議案情報・本会議投票結果、衆議院議案審議経過、官報。
・委員会発言はノート内の自動文字起こしと要約に依拠しており、発言者名の一部(〔?〕付き)や細部の言い回しは公式会議録と異なる可能性がある。
・スクリーンショットは2026/7/24時点の各公式サイトの表示。
金商法移管: 暗号資産を決済手段(資金決済法)ではなく金融商品(金融商品取引法)として規制する枠組み変更。有価証券とは別カテゴリの金融商品と位置付ける。
申告分離課税: 給与などと合算する総合課税(最大55%)ではなく、株式等と同じ20.315%で分離して課税する方式。
DEX: 分散型取引所。中央集権的な管理者がおらず、現行・改正後とも直接の規制対象にできていない。
適合性原則: 顧客の知識・経験・財産の状況に照らして不適当な勧誘をしてはならないという行為規制。
SSBJ基準: サステナビリティ基準委員会が策定する日本のサステナ開示基準。
Q. いつから施行される? — 公布は2026/7/23。施行期日はノート・本レポート収集資料の範囲では未確認(附則で段階施行が通例)。分離課税は改正金商法の施行が前提。
Q. すべての暗号資産取引が20%課税になる? — ならない。登録業者の取扱暗号資産(特定暗号資産)を当該業者に譲渡した場合に限られ、DEXや無登録業者経由は総合課税のまま。根拠法は令和8年度税制改正の所得税法等改正法(2026/3/31成立・公布)で、適用開始は改正金商法の施行が前提。損失は3年間の繰越控除が可能だが上場株式等との損益通算は不可。
Q. 暗号資産ETFは解禁された? — 未解禁。大臣が「解禁する方向で検討したい」と答弁した段階。
Q. NFTや地域通貨も対象? — 暗号資産の定義は変更されないため、NFTなど資金決済法上も暗号資産に該当しないトークンや、前払式支払手段型の地域通貨は対象外。
Q. 衆議院の議員別の賛否は見られる? — 原則見られない。衆議院は起立採決・異議なし採決が基本で、議員別の賛否が記録されるのは記名投票のときのみ(本会議会議録に掲載)。政党(会派)別の賛否はスマートニュース メディア研究所の国会議案データベースで確認できる。参議院は押しボタン式のため議員別の投票結果ページが公式に公開されている。